激しくも美しい

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世界で一番小さいであろう空港の滑走路に降りると「パーフェクト!!」としか言いようのない景色が出迎えてくれました。緑の山々に囲まれた空港,多少の湿度のはあるものの静かで美しい朝。それらの美しさは息を飲むほどでした。そこは国土の70%以上が森林や厳しい山々で形成され,「世界の片隅」とも呼べる国,ブータン王国。

私達はヒマラヤをこの目で見るためにインドのチェンナイ市から来た6人の女性グループです。Mt. Chomolhari(中国とブータンの国境にある標高7318M)は旅行者にとってとても行きづらい場所と聞き,私達はJigme Dorji National ParkにあるJangothang(標高4030M)にベースキャンプをはって眺めることにしたのですが,そこにたどり着くまでにトレッキングしていかなければならなかったのです。
ブータンを旅していると,なんだかタイムスリップしたかのように思えてくるのです。21世紀なんてここには関係ないかのように。。。かといってブータンの若者が近代社会に無関心かというと,そうではないのです。そこがブータン!おもしろい!!

最初の数日間はThimpuとParoでとても快適な時間を過すことが出来ました。野生動物を見たり,特にターキン(ヒマラヤ東部の山岳地帯に生息する牛科の大型哺乳類)を見れたのはよかった!そして幸運にもThimpu
Dzongでブータン宗教の最高指導者71代Je Khenpoに会えたのは幸運でした。

Put to test

私達は半日かけてTaktsangという最も崇高な寺院に歩いていきました。そこは標高800Mの崖に聳え立ち10KMも歩いていかなければならなかったのですが,そこからの景色は深い緑,そして村々を見おろす絶景でした。次の日はハイキングスティック,防寒着,帽子,そして高鳴る気持ちを胸にトレッキングへと出かけました。はじめの3日間は緑あふれる川沿いを歩き,信じられないほどの澄み切った空気を吸い,当初描いていたトレッキングになりました。トレッキング中に見た壮大な景色は一生忘れられないほど美しいものでした。黄色と茶色のメープルの木々,一面雪に覆われた崖。それらはまさに“世界一”でした。

Tough trek

ここで少しトレッキングについて。毎日平均16KMを歩くので,大体毎日5~6時間程歩くことになります。持ち物は水筒,スナック菓子,そしてなによりもカメラです。場所によっては非常に疲れるポイントがあったり,少し危険に思える場所もあるのですが終わってみればとても良い経験になりました。大自然のド真ん中で,人の気配がまったくない山々は,時に私達のためだけに存在してると錯覚するほどです。

Preparing well

トレッキング(特にブータンでは)をするためには十分な準備が必要です。準備を怠ってしまうとせっかくのトレッキングが不完全燃焼に終わってしまうからです。履きなれた靴,トレッキング用のスティック,丈夫で暖かい服,そして寝袋は特に重要です。平均気温が6~18Cなので日中は暖かいですが,夜間はとても冷えます。もう一つ重要なのが,しっかりと”食べる“ことです。私達はチリビーンズにチーズ,赤飯,野菜,ピーナッツバターにプロテインバーを食べ,しっかりと栄養を取っていました。おかげで130KMも歩いたのに1KGも痩せなかったのです。。。(笑)

もちろんブータンの魅力はトレッキングだけではありません。ここに書ききれないほどに。色とりどりの寺院,世界に誇るエベレスト。普段の生活では感じることのできない自然。それら全てがこの美しい国,ブータンなのです。

© Copyright The Hindu, written by Rupa Srikanth for The Hindu, Inida’s National Newspaper. This article appeared in the Feb 04, 2007 edition of the Hindu. ( Click here to view the original article )

> Rupaさんは2006年の9・10月に5人の友人とチョモラリ・ヤクサトレッキングに参加されました。