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Chida様からはブータン旅行の感想として、詩を頂きました。
お客様から頂いた言葉として掲載させて頂きます。
（スタッフ）
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霞の子守唄（ブータン日記 2012年11月）

風は変わる北に南に
彼らは聴く森の声を
道は揺れる西に東に
祈りは響く風と共に

水に生かされ
土に愛され
風に守られ
慈愛の光はジョモラリの遥か頂に輝く
象牙を祀るゾンは頑に
白き壁は天まで聳える
ブッタは語り金色の微笑みを取り戻す
赤い羽衣は灰の記憶を辿り
ドゥンチェンは大樹の精霊を喚びおこす
歌声は地を鳴らし
慈しみは朗らかなる陽だまりに瞬く

賢者の石は山を拓き
蓮池は俗なる世界を映し出す
八つ足のタタは行く先を知らず
無言で大地を飲み込んでゆく
灰雲が谷を覆い
時代を巡る三つ目は瞑想する
ヒマラヤを挟む大地が割れ
戦火は放たれる
邪鬼を征する雷鳴が轟き
崖に潜む虎の慟哭は森の神にこだまする

世界を繋ぐ息吹が子を産み落とし
酒と歌い　大地は踊る
空は青さとは何かを教え
星は宇宙と大地を交える

灯火は揺れ続ける
廻り巡る輪の中で
空に霞む微笑みは
やがて眠る　風に抱かれて

Daisuke Chida
（2012年11月）